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アイヌ伝説より「洞爺湖の神と中島」


昔、松前の殿様に仕える文武両道に通じた人に、二人の男の子と女の子とがあった。幼いときから武士になるための剣道や学問を教えられたが、兄は教えられることをかたっぱしから覚えてゆくのに、それにひきかえ弟の方はどうしたことか、いくら教えられても努力しても、読み書きも駄目だし、ソロバンも剣道もてんで駄目であった。

父親はそれを心配して、特別に弟のために色々と工夫をして教えるのであるが、どうしても覚えられない。しまいには父親もかんしゃくを起こして、ソロバンや刀で頭を殴ることもあった。母や姉はそれを可哀想に思い陰で泣いていた。兄もなんとかして弟に教えようとかげになって教えた。弟も何とかして覚えようと夜も昼も努力するのだが、やっぱり駄目であった。

ある日のこと父親は弟を呼び寄せて、

「お前は人一倍立派な身体をし、容貌も優れているのに、どうしてそんなに物覚えが悪いのか、お前のように役にたたないものを、いつまでもこの家におくことはわが家の恥でもあり、また殿様に対しても申し訳がないから、わしが腹を切ってお詫びをするか、そうでなければお前がこの家を出て行くか、どちらかを選ばなければならない。どうするかよく考えて返事をしろ」

と言うのであった。

そこで弟は自分がいるばかりに、家中の者に悲しい思いをさせることは申し訳ない、自分がここを去って他国へ行って努力をしたら、又何とか新しい道も開かれるかも知れないからと思って、そのように父に答えると、家中の者が皆泣いた。

そして母は泣きながら小さな袋に薬を入れてくれ、父は、長い刀と短い刀とを弟の腰にさしてやり、黄金づくりの小さな笠をかぶせて、皆に送られて家を出た。

弟は村を出てどこへ行くというあてもなく、泣きながら歩いて行くと、名も知らない大きな川のほとりに出た。するとその川岸にどこから来たのか、自分と同じ年頃の神様のように美しい若者が、傍らに僅かの包みをおいて坐っていた。見るとやはり長い刀と短い刀とをさしている。その若者が弟を見て、まるで昔から知っていた者のように、ニコニコしながら挨拶をして、ふところから折りたたんだ手紙を出してよこした。

------- こういうものが読めないばかりに、家を追い出されて悲しい旅をしているのに、どこの奴か知らないが、人を侮辱するにもほどがある -------

と腹を立てた弟は、いきなり長い刀を引き抜いて若者に斬りかかった。すると若者はまるで微風のようにひらりと舞い上がって、大川の向こう岸へ鳥のように舞い降りた。悔しさのあまり弟も自分には出来そうもないが、思わず刀をもってそのあとを追って跳ねると、やはり風のように飛び上がって相手のそばへ舞い降りた。するとそれを待っていたように、相手の若者が長い刀を抜いて、烈しい太刀風を弟にあびせて来たが、若者の太刀先が届くよりも先に、弟は再び風のように舞い上がって、川のこっちへ鳥のように飛び退いたので、若者は思わず大地に深く斬り込んでしまったが、再び刀をもって飛び上がって迫って来た。

こうして何十回となく斬り合ってみたが勝負がつかなかった。すると、若者はニコニコしながら声をかけた。

「ちょっと待ってくれ。聞いてもらいたいことがあるんだ」

と言って弟の傍らに寄って来て、その手をとり、

「あんたは松前の真中に住む藩士の次男だが、私は松前の東のはずれに住む藩士の末子だ。私もあんたと同じように、幼いときから剣道や読み書きを習っても、どうしても覚えられず、そのためにとうとう家を追われてこの川の傍らまで来た。この川の名はサンピタラというのだが、ここまで来て川の神様に会ったところが、川の神がこんなことを話した。それによると、神の国から、サンピタラの神にたよりが来て、人間の国にアブタ(虻田)というところがあって、そこに大きな湖があるが、まだそこを守る者がいないために危ないところになっている。そこで神の国から誰かを送ろうとしたが、どの神も行きたがらないので、仕方なく人間の中から、この大きな仕事を引き受けるものを選ぶことになった。そこでサンピタラの神は、永い間人間の国に住んでいて事情を知っているので、その選ぶことをまかされた。人間の中で身体が丈夫で力のある、正直でかしこい若者を二人選んで、アブタの湖の中央と上手の方を守らせるために、人間の国中からあんたと私が選び出された。しかし初めからそれを知らせたのでは、親兄弟が反対するので、神様の力で私達を無能力者に見せ、自然に家を追い出されるように仕向けられたのだ。そして二人をここに落ち合わせて斬り合いをさせたのも、私達の腕前をサンピタラの神が見たかったのだ。ここにわれわれの飲む神酒が二本、徳利に入れられて神の国から送られて来ているが、先ずそれより前にこの手紙を読んでみたまえ」
  
と言って先の手紙を差し出したので、半信半疑にそれを受け取って読んでみると、どうしても覚えられなかった文字が、何の苦もなくすらすらと読めて、それには若者の話と同じことが書かれてあった。

そこで二人は一緒にアブタの湖に向かって旅立ち、六日六夜歩き続けてその湖にたどりつき、湖畔に腰をおろして神酒を酌み交わすと、不思議にも急に神通力が現れて、人間の国も神の国もよく見えるようになった。振り返ってみると湖畔の村が見え、そこには両親や兄弟の泣いている姿も見えた。

若者らは飲み終えて空になった徳利を湖の中央に投げ入れると、たちまちそこに二つの小山が出来たので、そこへ行ってみると、二人の住む黄金づくりの家が輝き、家の中には美しい宝物が積まれ、その間に妻になるべき、美しい絹の着物を着た娘が刺繍をしながら待っていた。そこで二人の若者はおのおの家に落ち着き、お互いに力を合わせて安心させた。洞爺湖の中島はそのときの若者達の徳利であるという。

- 知里真志保氏輯 -






「洞爺湖の蛇神」

アイヌの英雄ポイヤウンペが洞爺湖に来たところ、オヤウムカイという羽の生えた毒蛇の神が彼を苦しめるので、ポイヤウンペは洞爺湖の出口のところにある滝の神のところへ遁れてかくまってもらった。

滝の神様はポイヤウンペをいたわって、何くれと身のまわりの世話をしていたところ、それを妬んだオヤウムカイは、羽のある蛇神六十、ただの蛇神六十をかり集めて、激しくポイヤウンペと滝の神を攻めてので、滝の神はついに攻め殺され、ポイヤウンペも全身焼け爛れてかろうじて石狩に遁れ、それからトミサンペッ・コンカニヤマ・カニチセ(トミサンペッの黄金山の金の家)に脱走して難を逃れたという。

一説には洞爺湖のオヤウムカイは、亀のようなもので羽が生えて居り、流行病があるときにはイケエウセグルという山霊と、オヤウムカイに酒をあげて病気平癒を祈ったというこである。

- 吉田厳氏輯「人類学雑誌」二九巻一〇号所載 -
zacky | ・伝説・神話・宗教聖典など | comments(4) | trackbacks(0) | - |
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このアイヌ神話で非常に興味深いのは、「神話」であるにも関わらず、松前藩というリアルな歴史が絡んでいるというところです。愛子様を遡ると神武やアマテラスと繋がったりしてるんですが、どの時点まで寓話なのか、どこからがリアルなのか。アイヌ神話にはこのエピソードのように、突飛なトンデモ話と正史とが普通に同じテーブルに乗せられています。

アイヌ神話含め、日本の超古代史に没頭中。面白過ぎる。
| z@cky | 2009/04/26 2:11 AM |


あ”ー、もちろん「愛子様」とか書きつつ「アイコとかマサコとかマジョとかアイゴー」って視点も持ってますよw イタリアのバチカンと日本のラストエンペラー、この辺結構キモ。キモいキモ。
| z@cky | 2009/04/26 3:23 AM |
伝説や神話は、隠された正史の断片がよくありますが、アイヌ神話にも蛇神が登場するんですね。
愛子様は悪魔の13血流の子どもとして生まれてきたと思っていました。
アマテラスですか。。 森羅万象や天地の法則を伝え、秘数字や立体的な意味を持つ言霊は波動なんですね。あまりにも難しすぎて。。orz
日本の紙幣には皇室解体や呪詛が描かれていますが。
バチカンの傀儡天皇は、目眩がするほど悪党ですね。。
| ちょここ | 2009/04/26 10:29 PM |



二元論にて信仰をザクッと二つに分けて捉えるとするならば、アイヌ(=人間の意)の民は一神教ではなく多神教です。蛇も龍も登場するしフクロウも熊も神です。敢えて西洋哲学的に言えば「スピノザの神」ですね。

地元北海道ということもありアイヌの神話は数少ない語りべからも聞かせて頂いたりした経験もあるのですが、我々のルーツでもある侵略者(倭人)の正史や追いやれた偽書と絡めてみると、新たな発見が死ぬほどてんこ盛りなのだ。

ちなみに蛇神オヤウムカイや洞爺湖中島の徳利伝説は、自分と同じ北海道出身の漫画家、藤田和日郎師が「うしおととら」の中で少しアレンジを加えつつ魅力的に描いております。

うしおととら - 湖の護り神
http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/07127034.html
| z@cky | 2009/04/28 12:40 AM |
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