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月の馬、ユニコーン(一角獣)

月夜のユニコーン

はるか昔、想像上の動物ユニコーンの角には強力な解毒作用があると考えられていた。
だが、そんなユニコーンには意外な一面があった。
ヨーロッパの暗い森の中で、ぽっかりとそこだけが、全身つやつやとまぶしいほどに輝く白い毛並みに照らされ、青くきらめく瞳は、ものうげに清らかな甘露の湧く泉に投げかけられる。彼らの周りでは、兎や栗鼠などの小動物が楽しげにたわむれている。

彼らはまた、まるで春を謳歌する若々しい少年たちのように森を自由に駆け回り、額から突き出た長くなめらかな角をからめて遊ぶ。饗宴は夜明けの太陽の光がさすまで続く。

深い森の奥にひっそりと暮らし、決して人間に飼い慣らされることがないとされた美しい空想の動物ユニコーンには、透き通るような美しく冷たい月の夜がよく似合う。というのも道理があって、ユニコーン自身、長く月を司る動物と考えられてきたのだ。

ヨーロッパやインド、中近東の古い言い伝えによれば、太陽を司るのは獅子である。燃えるような黄金のたてがみの百獣の王は、古代よりすべてのものに勝るパワーを持つ太陽と同一視されてきた。これに対しユニコーンの可憐といってもいいくらいの整った姿態は、謎と静寂に満ちあふれた夜の世界にふさわしい。

しかし、ユニコーンはその繊細なフォルムに似合わず、獰猛な一面も持つ。ユニコーンは唯一、獅子と互角に戦うことのできる獣であり、同時にその宿敵でもあるのだ。獅子の太陽は、月のユニコーンが出現する黄昏時になると、黄金のたてがみを振り乱しながら逃げるように天空から去り、ユニコーンはユニコーンで、明け方になるとその長い角を「暗黒」という大樹にひっかけてしまい、身動きがとれなくなって、昼の間中、暗い森の中に閉じこめられてしまうのである。

ユニコーンの獰猛さを形容して、ある学者は「ユニコーンはライオンのような口と馬のような後ろ脚を使って戦う。仲間同士でも、雌とさえも死ぬまで戦う」と記述している。当然こんな動物を飼い慣らすことはできず、捕らえるのもままならなかった。『旧約聖書』の「ヨブ記」にも、ユニコーンが飼い慣らされないという記述があるほどだ。

※ただし現在の聖書では、残念なことにユニコーンが「野牛」にすり替えられてしまっている

さて、古代の人びとは、これほどの狂暴性を発揮するユニコーンを恐れながらも、何とかしてユニコーンを、特にそのその長い角を手に入れたいと願った。ユニコーンの角には強力な解毒作用があると考えられていたからだ。曰く、ユニコーンがどんな泉の水を飲んでも死なないのは、別の獣の毒に汚された水を自分の角で清めてから飲むからである。ユニコーンの角を食卓に置いておけば、毒に汚された食物の前では角の表面に水滴がにじんでくるので、すぐに危険であることが判明する。また、これを粉末にして飲めば、ペスト、狂犬病、寄生虫、二日酔いなどにたちどころに効果を表し、歯を白くする作用さえあるという、まさに万能の薬であった。

ただし、ユニコーンの角が森に落ちている、という幸運はめったになかったから、中世の人びとはユニコーンを生け捕るための究極の業を編み出した。

その業とは、清純な処女を使うものだ。ユニコーンは若い処女に目がなく、森に処女がいるとその香りにおびき寄せられて近づき、彼女の膝に頭を置いて眠り込んでしまうという。ここを狙ってユニコーンを捕らえ、その角を失敬するという次第だ。キリスト教世界の「永遠の処女」といえば、あの聖母マリアであるから、処女好きのユニコーンは、キリストとも同一視されたという。


出典:増補改訂版「月の謎」 (c)学研 -株式会社学習研究社-
zacky | ・伝説・神話・宗教聖典など | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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